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【感想】『天気の子』がやっているので当時『天気の子』を見て思ったことを書く

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【感想】『天気の子』がやっているので当時『天気の子』を見て思ったことを書く

今やっている再放送を見ているわけじゃないので当時の記憶を思い出して書く。

 

 

大人から見た子どもの行動は共感(理解)できない話

今作で言われていることの一つに主人公である『森嶋帆高』に共感できないという意見だった。

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正直、今のご時世"共感できない"主人公は失敗だ。なぜなら、視聴者は物語を見る時自分と主人公を重ね合わせせて物語に没頭し作品とシンクロしていくからだ。

なのに、そのシンクロする入り口である主人公に共感できなければ当然作品とシンクロすることもできず、作品を上から眺める傍観者になってしまう。

そして、それは意図的に制作者が狙っていると私は思っている。

森嶋帆高は何をしたか何が嫌かもわからないが、自分の住んでいる島から家出をする。身分を証明できるものも仕事も何も決まっていない状態で東京に来るのだ。この時代に。

それで、運よく助けてくれた人に社会を知っていればろくでもない(悪人ではないが決して褒めることはできない)環境でこき使われ、晴れ女の仕事する際も5000円が高いと思うほどの金銭感覚で仕事していく。(奇跡に近い力なことを考えれば0が2つ追加されても安いほど)

挙句の果てには線路を走るわ、銃を撃つわ。やめろと言う大人の言うことを全部無視するわ。世界は雨だらけになるわ。と、なんて話のわからないやつだ。

 

と、大人の私は思うわけだ。

でも、もし自分が本当に"森嶋帆高"であったら。家出をしてろくに先もわからない状態で助けてくれる人がいたらその人慕うし、5000円も大金だ、好きな女の子ためなら明らかな悪いこともしてやろう。拳銃だって撃つよ。

 

つまり、文句を言っている人は社会的常識。世界を知りすぎているからそのルールの枠組みから大幅に外れた"森嶋帆高"の行動が許せないわけだ。

警察から逃げたりしたらどんな前科持ちなるかわかったもんじゃない。

でも、そんなの関係ない。なので、この作品を同じ年齢で見ていたら私は驚くほど彼とシンクロしていた可能性が十分にある。

私たちは視聴者として空から眺める傍観者に自分からなったわけだ。

 

この作品はBADENDなのか?という話

私が映画館から出た時こんな声が聞こえた

「えーBADENDじゃん」

確かに、二人は最後会えたけど世界は雨だらけ、結局2人のせいで世界は晴れない雨の世界になってしまった。

画面も薄暗く正直明るい終わり方……というには、雲のようにもやもやが残る。

ただ、私はこれをBADENDだと思っていない。

これでいいのだ!

 

天気の子は「なんとかなる」子

私は『天気の子』という作品のテーマは『なんとかなる』だと思っている

  • 何も考えず家出しても →なんとかなる
  • 警察から逃げても →なんとかなる
  • 警察の邪魔をしても →なんとかなる
  • 発砲しても →なんとかなる
  • 世界が雨だらけになっても →なんとかなる

そう、この世界で『ダメ』とか『無理』とかそういうこともやってみれば案外なんとかなる! そういう話なんじゃないかなぁ…とエピローグにあたる数年後の話で思ったのです。警察の邪魔をした『須賀圭介』も普通に会社大きくしてるし、警察から逃げたり色々やったら『森嶋帆高』もそこまで重い罪を背負っているわけじゃない。穂高を逃がすため色々な人がルールとして正しくないことを行ったが全員問題なく生きている。

日本も雨だらけなのにボートで移動したり水上バスで移動したりしてる。

晴れなくなって異常気象が続いたらダメだと思っていたけど皆なんとかなっている。

つまり、それはこの物語だけの話じゃなくて。案外世の中のことはやってみて仮に失敗してもなんとかなるよ。という凄く優しい物語だった気がします。

つまり「今から晴れるよ」というのは何が起きてもいつか晴れる。という鬱屈している人たちへのメッセージだったと思うのです。

 

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将来的にあの世界は晴れることを暗示するイラストブルーレイ発売時に描かれた世界