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今話題のPUIPUIじゃなくてメェーメェーな方『マイリトルゴート』を見た【感想】

今話題のPUIPUIじゃなくてメェーメェーな方『マイリトルゴート』を見た

sst-online.jp

 

 トレーラー

作品内容に一部の方のトラウマに触れる部分があるのでそういうのが気になる方は少し調べてから見よう。 

ってか、トレーラーが完全にホラーなんじゃ。

感想

ネタバレありです

 

開幕付近

テーマが『親の愛情の狂気』なだけあって、物語の雰囲気は異様な空気に包まれている。

開幕は元ネタであるグリム童話【オオカミと七匹の子ヤギ】を再現しており、食べられてしまった子どもたちを救出するところから始まる。

もうすでにこの時点で何ていうか酷い。子どもの皮膚は胃の中にいたことで溶けて焼けただれており最後に救出できた一番上のお姉ちゃんに関してはほとんど毛が残っていない。

そして、居ないトルク。

 

いや、居るんですよねしっかりと。「トルクはどこ?」と言っている時にしっかりと骨が見えている

そして開けたお腹から離れたところからタイトル。『マイリトルゴート』

最初ただ粘土で作った文字だと思っていましたが、たぶんこれ骨だよなぁ。

まぁ、そういうことです。開幕から「うわぁ……」って気分にさせてくれる。

タイトル表記後赤い画面は近くの川(湖かもしれないが不明)に変わりカメラはトルク(ナツキ)を無理矢理家に連れ込もうとするお母さんのシーンに切り替わる。

これも最後まで見てわかったことだが、オオカミの胃から胃の中で溶けた骨でタイトル。その画面からそのままシームレスに川に変わるということはこのオオカミも本編ラストで殺された父親と同じようにこの川に捨てられているのだろう。

 

その後母とトルク(ナツキ)との会話。完全に母はナツキをトルクだと思っており逃げて居なくなったトルクを連れてきた。と、言っているが逃げれないようにしている家といい狂ってるのではなくて冷静なのかもしれない。

 

生き残ったヒツジ兄弟たちとナツキの会話

この部分は妙なエコーがかかった声や焼けただれた肌といい、ただの会話のシーンなのに不気味です。見れなくしている鏡で自分の姿を見てしまい、目玉を変な方向に向けながら泣く一番上の姉(たぶん2番目に食べられた)の姿はその後自分の服を差し出すナツキじゃなくてもかわいそうに思えてしまいます。

一度被害を受けたらその傷は消えない。

これはナツキも暴行受けているとみられる紫色のあざがあり、ここでお互い傷を持つものとして子供たちは信頼し合う形になります。

ここで一度ナツキの話をしておきますと、この後やってくる父親(オオカミ)から暴行だけではなく、性的暴行も受けているのは確実でしょう(死ぬとき半ケツだし)

そういう虐待が日常的にあった。つまり彼も羊の代わりに連れてこられた人間ですがオオオカミの犠牲者なわけです。

 

すべては羊。スケープゴートな話

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 私は作品を見た後は感想をしらみつぶしに探すタイプなのですが、今作の感想にこの作品はスケープゴート(集団内の不平や憎悪を他にそらすため、罪や責任をかぶせられ迫害される人。身代わり)の意味も含まれている。と聞いてあー確かにとなりました。

これは私の仮説ですが、ナツキの母親はすでに別居または居なくなっていると思っています。

たぶんナツキの父親は元々母親に対して暴行を加えていたが、それが行き過ぎたことで母親は消えてその暴行の矛先。母親の身代わりとしてナツキが被害を受けている。

と私は思っています。

 

羊の母親は居なくなった息子の代わりにナツキを。

ナツキは居ない母の代わりに羊の母を

父親は消えた母親の代わりに息子のナツキを

なにかを身代わりににして生きていく。登場人物たち。がこの作品のメインでした。

 

オオカミは近くにいる

物語ラスト父親は殺され、母親はトラバサミを持ち家を出る。部屋のドアは最初の何倍も頑丈に封鎖されそこから逃げ出すことはできない。

ナツキは窓から外を見つめる。その足元にはオオカミのお面。

 

このラストシーンはかなり意味深です。

より頑丈に守られた家。

トラバサミは玄関前に置いています。

遠くからはヘリコプターの音。

 

この物語のラストはけしてハッピーエンドではないでしょう。母親は玄関から歩き家の前の木のところにトラバサミを仕掛けます。

これはきっと逃げるナツキに向けた罠でしょう。なぜなら羊の母親は殺人に躊躇いはありません。家族を守るためなら簡単に人間とかオオカミを殺せる人(羊)がなぜ生け捕り用の罠を仕掛けたか。それはやはりナツキのためでしょう。

 

遠くから聞こえるヘリコプターは消えた二人を探しているのか……じゃあ、このあとあの森はどうなるか……。

うーん。

 

 終わりに

内容も10分で綺麗にまとまっており非常に面白い作品でした。物語は見れば見るほど考えられる部分も多く何度か見てより発見がある作品でした。

PUIPUIモルカーを見ようと思ってみたら人間は愚かを前面に出したダーク作品を見る羽目になるので万人にオススメとは言えませんがモルカーを知らない人が見ても楽しめるでしょう。

個人的に全体的にダークな雰囲気でありながらオオカミから逃げるシーンは少しコミカルでPUIPUIモルカーを思い出させますし

合体して父親オオカミと戦うシーンは少し熱くていいですね。

 

期間限定とのことなので見れるうちに見ときましょう。