【漫画】「抱けえっ!!」の画像が有名な傑作マンガ『ノスタル爺』について
【漫画】「抱けえっ!!」の画像が有名な傑作マンガ『ノスタル爺』を知っているか?
ノスタルジー
ノスタルジア(英: nostalgia)またはノスタルジー(仏: nostalgie)は、. 異郷から故郷を懐かしむこと、またその懐かしさ。同義語に郷愁(きょうしゅう)・望郷(ぼうきょう)など
現在STAY HOME特別企画で藤子・F・不二雄先生の短編が読めていた。
『ミノタウロスの皿』『ある日』『流血鬼』など毎回傑作中の傑作が読めていたのですが今回は『ノスタル爺』
「いや、知らないわこんな作品」と思う人が多いでしょう。
しかし、この画像とかどっかで見たこと無いですか?いや、見たこと無かったらそれはそれで読んでください。
さて、この『ノスタル爺』ラストページが非常に美しく綺麗な終わり方をするのですが、実際は地獄の始まり。一時の望郷からの悪夢の始まりです。
ここからはネタバレありの話です。
さて、本作は主人公の『太吉』が嫁で里子の墓参りにやってくるところから始まります。
自分の住んでいた村はダムに沈み原型は残っていないが、その光景を懐かしみながら過去を思い返していきます。
思い出されるのは場所・人・思い出。
地下に幽閉されていた爺の話から
嫁の里子との結婚式
その後二人を見て「抱けえっ」と叫ぶ、爺。
この記憶は太吉 の村にある記憶の一番新しい記憶。この後彼は戦場に行き村から離れるのだ。
この作品は読んでいけばわかるが、物語は徐々に過去へ進んでいく
その後学生時代の記憶
そして子どもの頃の記憶
どんどん過去へ過去へ、懐かしむ。
だからこそ、ラストシーンの悲しみが酷いのだ。この作品は過去を懐かしみ、そして気づけば過去の世界へ移転してしまった主人公太吉 の物語。
過去の記憶に出てくる爺とはつまりこの主人公太吉自身であり、この物語の結末を表している。
生きている里子と自身に思いを馳せ笑みを浮かべるも、彼は過去への思いだけが残るまさに『ノスタル爺』になってしまった。
この作品のネタ的部分であり最大のネタバレでもある「抱けぇっ!」も先を知った男の最後の叫びだと思うと本当に悲しいシーンである。