らーめんハゲこと芹沢さんが主人公のらーめん再遊記1巻
勤労関係で問題が起きるとネットに生えがちな男
らーめんハゲこと芹沢達也。元々は『らーめん発見伝』のライバルであり、続編にあたる『らーめん才遊記』では、主人公である汐見ゆとりの上司であり出番もめちゃくちゃ増えている。
そして、1作目でライバル、2作目で準主人公の彼がガチで主人公な3作目『らーめん再遊記』なんと今作でこの芹沢さんがヘタレているという衝撃的始まり方をする。
もう読むとしょぼくれたおっさんになってしまった芹沢さんを嫌と言うほど見せられる。しかし、本作のメインはそこではない。
本作のメインは、昔は情熱を持っていた人間の復活劇だ。この作品では過去作のキャラも登場しており、ラーメン屋をやめる者や成功し続ける者。などキャラクターそれぞれが成長・変化している。その中でこのらーめんに熱い情熱を持っていた芹沢が再びらーめんと向き合う、昔の自分を取り戻すまでがこの1巻に収まっている。
特に復活の話でもある第六話(作中では第6杯)が良い。自分の今までを思い出しながららーめんを作り情熱を失った。と言うのはただ言い訳をしているだけ、逃げているだけだと自分を鼓舞する。そして、自身が何者だったかを思い出すシーンは作品が長く続いているからこその深みのようなものをあり、今情熱を失ってしまった人へのメッセージに思える。
また、同じ話でレッテルに縛られていたと話すコマがあるが、このコマの内容は別漫画「天-天和通りの快男児-」に登場する原田克美を思い出したりした。
作品は当然ラーメンの話がメインになるが、それとは別にキャラクター作品としても非常に面白い。ラーメン漫画? と思いがちだがビジネス的な問題解決も多く出ているので料理漫画に興味が無くても楽しめるだろう(特に2作目のらーめん才遊記はらーめん店のコンサルティング関係の話が多く面白い)
本作はまだ1巻までしか出ていないのでやる気が出ない……なんて人は読んでみると気づくものがあるかもしれない。また、読むとラーメン食べたくなるので夜に読むのは要注意。
らーめんハゲこと芹沢さんが主人公のらーめん再遊記1巻【150日目】おわり